なんと言うことでしょうか、私がデザインに携わった柔軟剤が全国に向けて販売されました。
花王 IROKA Bijouのボトル及び詰め替え用パウチの刺繍部分を手作業でちくちくちくちく制作しました！
試作後の本作業に入りはじめた所。
信じられない薄さの布に刺繍しています。
ちなみに試作はフェルトに刺繍しましたが、下に落ちる影が撮影できないとのことで本番はオーガンジーのみに。
2017年〜2018年の秋冬限定清算の品なので現在通販サイトでしか手に入りませんが、かなり頑張ったのと大々的に世に出回ったお仕事なので（小泉八雲とは全く関係ありませんが）せっかくなのでご紹介させてくださいませ。
余談ですが違うひいひいおじいちゃんは四国の帽子職人で廃藩置県のタイミングで江戸だか東京だかにやってきたそうです。
実際に着用するものなら強度的にあり得ないんですが、刺繍枠にオーガンジーのうっすいシルクを張って一つ一つ縫い付けては玉留めをせずに糸を切り、フリンジ部分はワイヤーで作ったものを刺して裏側でワイヤーを割って完成。
デザイナーさんと相談して撮影時に下のピンクの色を調整できるよう、そしていざという時にビーズを簡単に減らすことが出来るような構造。
ピンクの布の上に置いた状態
フィギュアスケートでもしようもんなら
スピンで全部ぶっ飛びます。
ちなみに限定品なので既に生産は終了していますがAmazonにはわずかながら在庫があるようです！
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個人的には詰め替え用の裏の部分が好きです♥
ちなみにこのお仕事はわたしがデザイナーをしているApocaθist（アポカシスト）を介して花王のデザインチームさんからご依頼いただきました。
似たようなテイストのシリーズのピアス、イヤリングは絶賛販売中です。
今はコンピューターを駆使すればなんでも表現できてしまうのでは？と思ってしまうくらいハイテクな世の中ですが、花王のデザイナーさんは手仕事の良さや味を理解してくださる方でした。
打ち合わせの時に
「IROKAはドラッグストアに並ぶものの中ですと高級ラインの柔軟剤になります。なのでハイブランドのプレタポルテでありそうな豪華だけど品のあるイメージでお願いします！」
と気合いの入る提案をしてくださったので…
パールはすべて天然物を使いもちろん手刺繍で、しかもシルクのオーガンジーに縫い付けています。
（何度も言い過ぎですが、そんなことした人なかなかいないなと思って。）
試作品はフェルトでそのまま小さな修正だけかな？と思っていたら、オーガンジーに刺繍するように花王さんからの指示を受けた時はまだ作業にも入っていないのに肩が思い切り凝ってきた(笑)のですが、
こうやって出来あがったものをみると喜びもひとしお（一入）どころかちしお（千入）くらいです。
もちろんオーナーデザイナーをしているApocaθistの商品やオーダーメイド品もああでもない、こうでもないと必死に考えてデザイン・制作しています。
ですがジュエリーはジュエリーをつける人と見る人、あげる人くらいしか関わりませんが柔軟剤となると
・ドラッグストアに買いにきたお客さん。
・それを使う人の家族、ルームメイト、お手伝いさん。
・その家族の友達や職場の人、恋人。
・ゴミ収集の作業員の方。
など数えきれない程の人の目に触れ、柔軟剤ですからお洋服に香りを届ける訳です。
しかもリサーチにと向かった近所の薬の福太郎で、当時のプロパー商品の
IROKA Airy 詰め替え用
を吉瀬美智子風のかっこいいけど芯が柔和そうな、要はとってもきれいなおねえさんが目の前で勢いよく５パックごっそりかかえてレジに直行する様を目の当たりにしました。
花王のデザインチームの方にお話したら、そんなことはそうそうお目にかかれないですよ。とのこと。
残念ながらBijou でそんな現場にはお目にかかれなかったのですがインスタタグとかみてひとりでニヤニヤしたのは内緒。
身につけることを目的としたいつものジュエリーベースのクリエイティブさとはまた違う領域の脳みそが活性化されたお仕事でした。
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柔軟剤の目的はお洋服や布製品をいたわることや香りを楽しむこと。
いつかは捨てられてしまうパッケージの制作も何人もの人間が真剣に取り組んで生まれています。
色々と語ってしまいましたが…本当にいいにおいなので再販して欲しいです笑
おまけ
フリンジなしのボツ案。 せっかくなんでこちらで供養させてください。
