わたしの出身地の極東の島国から観ればオーストリアもドイツも同じ言葉喋ってるしみんな鼻高いし似たり寄ったり。
ではあるのですが違いはやはりあります。例えばパンの呼び方、挨拶の仕方、宗教観、などなどなどでしょうか。
日本に置いても”豚まんと肉まん” や、”おおきにとありがとう” など地域の違いとしか言いようがない違いってありますよね。
そういった単なる違いはさておき、もうちょっと歴史的に踏み込んでオーストリアの人々がドイツをどう思っていたかの実体験をご紹介します。
オーストリア人の生の声 for ドイツ
「ジョーク通じねぇ。クソつまらねぇ。」
「マシンかよ。」
「人がやさしくない。」
「コーヒーマズい。」
「スィーツくそマズい。」
「とにかくダサい。」
「性格わりぃ。」
オーストリア × ドイツ人カップルもいますしみんながみんなドイツをDisってるってことはないと思うんですがなんとなく
” 競わずともこっちの方が文化レベル高いのは目に見えてるよねオーラ ”
をドイツで1年暮らし、オーストリアには4度程訪れたわたしとしては感じます。
どちらの国にも大切な友達がいますし国に優劣をつけるつもりはまったくありません。
ドイツ国歌の内訳
そんな中でもちょっと好きな話がドイツの国歌について。
2017年の夏、友人家族とウィーン郊外のアイゼンシュタットにてドイツ対どこか(国は忘れてしまった。)のサッカーの国際試合をたまたま観ていたとき、パパさんに尋ねられました。
「アユコはEUROやWorld cupではドイツを応援するの。」
「そだね〜。いいチームたくさんあって迷っちゃうけど1年住んでお世話になりましたし。まぁ、ドイツって言うよりバイエルン代表感が否めないですけどね。」
「確かにほぼほぼバイエルンミュンヘンだよね!もともとバイエルンもオーストリアだったけどね。」
「ああ確かにそうね。しかしほんと複雑ー!ドイツとオーストリアとハンガリーといろいろとその辺。ただドイツって国歌聴くだけでちょっとテンション上がるっていうか。」
(余談ですが君が代って暗いからスポーツの前に聴いてもアドレナリンが上がらない。ハ長調、だよね?な無調感がね。)
「あれはな、世界一美しい国歌とか言ってっけどまぁヘンデル様がお作りになられたから。しかしな、そのヘンデルはドイツ人じゃなくてオーストリア人だから。今のDeutschlandのために作ってないからな!残念。」
まさかのドイツ国歌がパパさんの地雷でした。いい曲なのに(だからか)
ドイツ国歌を少し掘り下げてみましょう
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルGeorg Friedrich Händel が作曲したのは1797年(そもそもドイツという国はまだない時代)。その54年も後の1841年に詩人のアウグスト・ハインリヒ・ホフマン・フォン・ファラースレーベン(August Heinrich Hoffmann von Fallersleben )が詩をつけた後かくかくしかじかで批判を受けたりしつつも今に至り、ちょびっとだけ複雑な事情を抱えている訳です。
日本のように一度も植民地下に置かれたことのない国で生まれ育っていると上述のような気持ちは想像することしか出来ませんが、とりあえず陸続きのヨーロッパにおいてはちょっとした日常生活においても歴史に目を向ける機会が圧倒的に多いのが実際。
余談ですが日本の国歌の君が代はドイツ人音楽家であるフランツ・エッケルト(Franz Eckert 小泉八雲が日本に来る11年程前から日本で仕事をしていたそう。)により編曲されたものだそうです。もしかしたら2人は出会っていたかしら?思わぬ所で繋がりました。
小泉八雲に絡めてまとめてみる
少しだけ触れた君が代ですがもしかしたら小泉八雲(ラフカディオ ハーン)の次男であり、わたしの曾祖父である巌(いわお)の名前の理由かもしれないのです。
改めて歌詞を見てみましょう。
’’君が代は ちよにやちよに
さゞれいしの 巌となりて
こけのむすまで’’
巌!でてきました!
中学生ぐらいまでわたしは ”さざれ石の岩音” と思っており、小さな石だけどよ〜くきくと岩のように大きな魂を感じる。みたいな意味だと思っておりましたが…わたしだけではないはず!
”巌”は高く突き出た大きな岩という意味なのだとか。
おじいちゃん、岩っぽくはないかなぁ?
まぁわたしが生まれる50年も前に亡くなったので性格が岩っぽかったかどうかはあの世でのお楽しみです。
ちなみにとあるドイツ人は
「オーストリアには自国出版のドイツ語の辞書がないんだよ!」
と偉ぶっておられました。
もう、どっちもどっちなんだから。
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