ドイツ生活

ドイツの労働環境はモデルケース?ウズベキスタン人男性による現場の声をお届けします

何かと比較される日本と欧米の労働環境。

仕事量の多さと給料とのバランス、さらにバケーションの取り方を比較してアメリカとヨーロッパの悪いとこ取り、なんて言われていますね。否定できません。

また、昨今報じられるアジアからの実習生や労働者の劣悪環境に関しては憤りを感じえません。
本題からそれてしまうのでここでは言及しませんが、残業を原則認めていないドイツなら経営者は逮捕されるでしょう。

 

ほんとうにそうなのかしら?

ここからは私が2013年に通っていたミュンヘンにある語学学校のクラスメイトとして出会ったウズベキスタン人(当時23歳)のお話になります。

 

同じ路線に住んでいたことから電車で会うことが多く、談笑しながら学校へ向かう日々でした。

当時のクラスにアジア人は私と彼のみ。(旧グルジアは微妙なところですが。)

とは言うものの宗教も文化も全く違うのでお互いにへぇ〜ボタン(ヤングはググってね!)を押しまくる会話はとても充実していたと同時に彼のドイツ語は私と同じクラスとは思えない程に上手だったのでなぜ今のクラスに通っているかを尋ねました。

「実はオーペア(ベビーシッターのようなもの)で最初に1年住んだんだけど言う程稼げないしビザも切れたから今は語学学校ビザでSchwartz Arbeitしてるんだ。」

Schwartzとは黒という意味。要は公には出来ない仕事をしているとのことでした。

「ドイツ語がもっと出来たらいいなとは思ってるけどそれは優先順位としては1番じゃない。だから無理のないクラスに通いながら毎日夜中まで仕事をする生活だよ。」

「それは大変だね!どんな仕事をしているか、聞いてもいい?」

「〇〇〇〇わかる?大手スーパーで赤いロゴの。そうそう、Ja!の。そこの倉庫内作業。場所は毎回ボスが指定して来るんだ。先月は月間250時間ぐらい働いたからすごく儲かったよ!」

仮に週休2日だとすると1日12時間労働。ドイツ労働時間法によると、最大労働時間は1週間に48時間又は1日に8時間なので…以下略。語学学校は週に4日、1日2時間か3時間の授業だったと思います。たまに休んで仕事にも行っていたようでした。

余談ですがドイツのスーパーは日曜日は閉まっています。裏方に関してはごめんなさい。聞きそびれてしまいました。

なんでドイツまで来て過酷労働をするの?

「僕は3人兄弟なんだけど、どうやら弟が優秀なんだよね。でお兄ちゃんと僕が国外で学費を稼いで医者になってもらうつもり。僕も大学の薬学部に入りかけたんだけど、弟ががんばってくれた方が金もいいしね。そうしたら僕が30代になる頃にはリタイアライフが待ってるんだ。気軽なカフェでもやりながらのんびり暮らすのが夢。」

ウズベキスタンの教育事情は詳しくありませんが、ヨーロッパのように間口が広くはないようです。

 

とはいえドイツの法律で認められている学生のアルバイトは4時間労働の場合1年180日まで(月換算で60時間。)バケーション中などに8時間労働を行なう場合は、1年につき90日までしか認められていません。月に250時間働くウズベキスタン人の彼のケースは明らかに違法。通報すれば逮捕は免れないでしょう。

(ちなみに高祖父の小泉八雲ことLafcadio Hearnは給料が気に入らないと仕事をやめていました。が貯金が下手くそだったようです。そこは似ました。)

しかし、持ちつ持たれつ

日本と違うところ、それは給料にあります。

時給がいくらかは聞いていませんがだいたい2000ユーロは1か月で稼げると言っていました。これは日本円で25万円ほど。ウズベキスタンの平均年収に相当します。

また、首都タシケントにあるTashkent medical unuversity の学費は年間で$3100〜3500。ソースはこちら。

日本円にすると40万以下。
日本人から見ると激安ですが、これはウズベク人の上記の平均年収を25%ほど上回る価格です。

当時私たちが暮らしていたミュンヘンはドイツの中でも一番物価が高い都市とも言われていたので住みながら語学学校の費用を払うだけで毎月1000ユーロは支払っていたでしょう。
(保険に関しては聞きそびれました。あ、あとイスラム圏のウズベキスタン出身でありながらお酒をたくさん飲んでいました。タバコも吸ってたかな。外食はもっぱらケバブかマクドナルドとのこと。)

そこから弟の学費を捻出し、夢に備えていた彼。仮に通報でもすれば仕事を失い彼自身はもちろんのこと、そこで働く移民仲間たちも罪に問われることになるのです。

 

ドイツのスーパーを訪れて92%日本人の私がまずびっくりしたのはやはり価格。
パスタは500gで100円せずに買うことが出来ますし、トマトも1kg250円ほどで売られていることもあり、自炊さえすれば日本より少ない出費でサバイバルできます。

スーパーのお手頃価格とドイツ人の恵まれた労働環境は移民の超過酷労働が支えている。

と思うと、

ドイツスバラシイ!マネシマショウ!ウラヤマシイ!

の意見には疑問を感じ得ません。

 

だって、今でさえヤーパンはアジアからの移民を奴隷扱いしているのに。

 

ミュンヘンのローカル?な景色。奥に見えるのはBMW本社です。

 

 

 

 

ABOUT ME
守谷 天由子
ギリシャとアイルランド人のハーフである明治の文豪、小泉八雲 (Lafcadio Hearn) の孫の孫の守谷天由子(もりやあゆこ)です。 文系か理系かと言われるとアート系のジュエリーデザイナー。 八雲と同じく異文化に触れる旅やウィスキーが大好き! 2017年に5カ国に渡る足跡ツアーを4ヶ月かけて自力で回りました。 アイルランドの田舎から八雲エピソードを交えた備忘録や海外お役立ち情報などをお届けします。