小泉八雲ことLafcadio Hearnの子孫である関係で3.125%アイリッシュな私。
遺伝子レベルで共感できること(例: ウィスキーが美味い。)もありますが今では想像できない女性から見たアイルランドの理不尽について友人との会話を思い出しつつ、これを書き終えたらギネスをご褒美にすべく、数字を交えながら綴ってみようと思います。
元出版関係のお仕事をしていたお友達(70代)と本についてのお話ししていた時のことでした。
約40年前のダブリンでの出来事
「1970年代後半だったかなぁ、同僚の女の子が結婚したんだよね。で、左手に指輪して図書館に行ったんだけどね…。」
「うんうん。」
「"ハズバンドのパーミッションはありますか?"って聞かれたんだって!ありえないでしょー?」
「ほんとに?ミソジニーなジャパンでも聞いたことないよ!」
「でしょでしょ?で、ハズバンド許可証を書いてもらってまた図書館行ってやっと本借りてっていうバカみたいな手続きして彼女はやっと図書館で本を借りることができたの。信じられる?」
「ううん!アイルランドって文学の国って言われてるのに想像できない!」
「だよねー。」
「てことはさ、"女に教養は無用"って意見のハズバンドがその頃のアイルランドにはいたってこと?」
「さすがアユコ。鋭いね。私の周りじゃ聞いたことないけどつまりはそういうことなんだよ。」
※以後、複数の同世代女性に対して上記のような出来事があったか尋ねましたが、初めて聞いた×3名 でした。
なのでアイルランドでは、というよりはとあるダブリンの図書館の方針であった可能性が高いです。
女性目線でのアイリッシュパブの歴史
「そうそう、思い出したんだけどこないだBelfastのバスツアー行った時にね、ガイドさんが教えてくれたの。」
「なになに?ジェンダーギャップ的な?」
「そうなの。1980年代に入るまで女性はパブでハーフパイント(284.131ml)のビールしか頼めなかったってほんと?」
「あぁそれはほんとよ!多分どこのパブでもそうだったんじゃない?常連さんとかそういう例外は多分あるだろうけど法律でそうなってたんじゃなかったかな?」
「まじかー。おっきいパイントの方が美味しい気がするけどね。ギネス。」
「おっしゃるとーり!アユコはおいしそうにお酒飲むもんねぇ。」
「ふふ。なんかすごいんだね、アイルランドの時代のスピード感って。」
「ほんとだよー。つい最近(1993年)まで同性愛は違法だったし離婚が法的に許されるようになったのだって1995年だよ!中絶は今(2019年春時点)からやっと合法になるけどね。」
「同性愛が犯罪だったって!?今のTショック(首相)はゲイの移民2世なのとか、30年前では信じられなかったでしょ?」
「ほんとそれ。リベラルな空気は居心地いいけど、ライトウイングもまぁ…どこでもいるよね?ちなみにアイルランド、離婚するのに確か4〜5年かかるんだっけな。」
「マジ!?あっ、だから〇〇さんも〇〇ちゃんも子どもいるけど結婚してないとか?」
「それもあるけど保証とか保険とかあんま変わんないんだよね。パートナーシップ制 (2011年より) もできたし。それと夫婦別姓もアイルランドではまだ認められてないの。今は昔と違って手続きが多いでしょう。」
「日本も夫婦別姓じゃないよー。事実婚の人もいるけどまだまだマイノリティ。全く考えないで10年用のパスポート取っちゃったけどね笑」
「アユコはライフがトラベルみたいなもんだもんねぇ。」
「へへ。」
…という事今ではヨーロッパ有数のリベラルな国となったアイルランドの女性が歩んできた近代史、ご理解いただけましたでしょうか?
治安も良好なので大麻の香りがしたら引き返す、くらいのスキルがあれば女性の一人旅も問題ないと思われます。
因みにアイルランドはヨーロッパの中でも出生率トップクラス。
地域によって差があるのかもしれませんがこども1人につき毎月2万円程、場合によっては18歳までもらえるそうですよ。
中絶が禁止であったこともあり、シングルマザーが多いアイルランドですが、極東のジャパンとか言う国とは違って餓死は免れられる国のようです。
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