”アルバニア” と聞いて具体的なイメージが出来る方はどのくらいいるでしょうか?
海外渡航経験30カ国を越え、ドイツとアイルランドに1年ずつ暮らした私でさえも
· ギリシャ、モンテネグロ、コソボ、北マケドニア、に隣接していること。
· イタリアと海を隔てて隣国関係にあること。
· EUに加盟できていないこと(2019年現在候補国)。
· マザーテレサに縁があること。
· 先読みが下手すぎる独裁政権によるアホ遺産がそこら中にあること。
· 20世紀後半は鎖国状態だったこと。
· 鎖国解除後に国民の約30%がねずみ講被害で財産を失ったこと。
· 世界初の無神国家を宣言したこと。
· UNESCO世界文化遺産があること。
· ヨーロッパ地域で唯一のイスラム教がマジョリティな国であること。
以上の基礎知識でさえも恥ずかしながら全く知りませんでした。
鎖国と聞いて、日本以外でピンと来る国は北朝鮮とエリトリア、トルクメニスタンぐらいですし。
ちなみにアルメニアはアジアです。
そもそもなぜアルバニアなんかに?
2018年5月から1年間アイルランドでワーキングホリデービザで暮らしていた私。
日本の梅雨が死ぬほど嫌いなので死ぬぐらいならひもじくてもヨーロッパで過ごそう!
ギリシャなら厄介になれる友達もいるし、何より小泉八雲(Lafcadio Hearn)の母親、即ち私のひいひいひいおばあちゃんのローザ カシマチゆかりの地巡り(Corfu, Lefkada, Kythira)、健康でいられるうちにしないと!
と計画をしはじめました。
大使館の人曰く、
「シェンゲン協定国を一度出てアイルランド以外の国に入国する分には法律としては問題ないのですが…全ては入国審査官の裁量次第です!」
とのこと。
此処ぞ!と言うときの運は割といい私。
運が悪くても上記を説明するぐらいの英語力はなんとかあるのでなんというか、ほんのりとした不安を抱えつつもアイルランドのビザが切れる2日前にコルフ島に向けて出発しました。
友人宅に大きな荷物を預けた翌日、フェリーで30分かけてアルバニア南部のリゾート地、サランダへ入国。ちなみにギリシャとの時差は1時間。
3時が2回ある!
みたいな感じで到着後の時間を過ごしました。
電子管理だそうでスタンプ押してくれませんでした。が特に問題なし。
アルバニアって治安大丈夫なの?
既にお伝えした通りヨーロッパ唯一のイスラム教がマジョリティな国であるアルバニア。
基本知識としてアジア人女性の一人旅としてイスラム教圏は控えた方がいいと言われており、私も以前モロッコ一人旅を敢行した際に満足に回れなかった経験があるので非常に心配しておりました。
ですが、独裁者エンヴェル・ホッジャにより無神国家宣言が発令されていた過去(2019年にはとっくに解除されており、信教は自由。)があるせいか他のイスラム圏の国よりも戒律がかな〜りゆるく世俗的な空気。
カトリック教や東方正教を信仰している人も1〜2割ずついるようで、クリスマスなどは宗教問わずお祝いするのだとか。日本と似ていますね!
飲酒はおろか、豚肉を食べる人もいるそうです。
お酒が普通に手に入ってレストランで飲めるのもうれしい!
1人で飲んでても変な目で見られることはありませんでした。
グラスがビール用でないのはご愛嬌。
写真はさすがに控えましたが5歳くらいの女の子が道で1人、スマホで遊んでました。
そのくらい安全です。
アルバニアの物価は?
正直安いです!(2019年 1レク=1円)
ノマドワークしている人にもお勧めできる安さ。
上記のビールはレストランで250円。スーパーなら100円以下で手に入ります。
Airbnbはまだメジャーではないようなのですが私が泊まったホテルは1泊1600円で朝ご飯付きでした。
また、このホテルはフェリーターミナルから歩いて10分程なので交通手段も必要なし。
ユネスコ世界遺産のButrintまでは片道20kmほどですが何と、乗車賃は100円でした。
200円払うから1時間に1本以上走らせて欲しいなぁ。
車掌さんが集金するシステムでした。
また、8歳ぐらいの女の子が私の隣に座るタイミングで
「Sorry」と英語で声をかけてくれました。
鎖国中の30年前ではあり得ない光景なのかも知れませんね。
アルバニアって何がおいしいの?
切り詰めた一人旅なのでレストランには行かないつもりでしたが泊まっていたホテルの地下が元Bunker(結局使わなかったアルバニアアホ遺産の防空壕)のレストランでした。
地下であれば人目を気にすることもないということでシェフおすすめのアルバニア料理コース1200円をオーダーすることに。
内容は
パン
ラムと野菜のフェタチーズ炒め
具がお米の揚げ春巻き
人参の温野菜サラダ
スプリングオニオンスティック
フェタチーズのサラダ
カリフラワーのマリネ
えんどう豆と野菜のトマト煮
これで1200円でした。
ちなみに観光からホテルへ帰ってきてワイン(200円) をいただいていたら
「ディナーはどうするの?ここで食べる?1200円でお任せコースだよ!」
と営業されたのでした笑
(ちゃんと食べれないものは前もって聞いてくれます。)
「それはステキね!是非お願いします。ただ、まだお腹すいてないの。」
と言うと
おつまみのサービス
(内容はディナーとかぶりますが)良いサービスです!お酒進んじゃう♥
もちろんチップ払いました。
旅行は野菜不足になりがちですが食料自給率95%のアルバニアは野菜も豊富な印象です。
雰囲気としては世界トップクラスにおいしいとされるギリシャ料理にもトルコ料理にも近いです。地理的にも近いですしオスマントルコから独立したのも1912年と案外最近だったりします。
アルバニアで困ったことは?
言う程ないのですが、フルーツ売りのおばちゃんから100円でチェリー1カップを買ったところ無理矢理2カップ売りつけられそうになりました。
アジア人は目立ちますし中国人はリッチですからそのノリで来られたのかもしれませんね。
…2つも持って食べられないので断りました。
今回は出入国を証明するスタンプ目的の滞在だったので2泊3日でした。
鎖国が長かったせいか、先進国ならどこにでもあるマクドナルドやスターバックス、H&Mなどがまったくありません。
また、1992年の鎖国解除後に入ってきた隣国イタリアのピザや既に世界中に展開されていたコカコーラに国民は驚愕したのだとか。
ベルリンの壁崩壊から3年後、日本は就職氷河期元年に当たる年です。
余談ですが小泉八雲おじいちゃんが日本をはじめて訪れたのは江戸時代が終わり鎖国が解除された22年後。
2019年はアルバニアの鎖国解除から27年後なので似たような心持ちだったのかなぁなんて思いながら旅をしていました。
いつEUに加入してもおかしくないアルバニア。
空気がヨーロッパナイズされてしまう前にまた行きたいなぁと思っているところです。
アルバニアの詳しい旅行記はこちら
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