2025年の秋に始まった、私の高祖父母小泉セツがモデルとなった朝ドラばけばけ。
結婚前に書いたセツとの共通点を述べたブログでにもあるように
セツの人生は朝ドラ向きだから誰か実行して!
との願いが先祖を通じてNHKに届いたのか、何もしていないのに夢が叶った2025年でありました。
いくつかの装丁やトリビュート版もありますが、セツは1932年に他界しているので著作権フリーの青空文庫でも読める”思い出の記”。(なお”節子”はペンネーム。仮に私が玄孫にペンネーム(今のところないけど)で呼ばれると思うと小っ恥ずかしいので”セツ”表記といたします。皆様はどうぞご自由に。)
このばけばけのモデルに選んでいただいたことも後押ししてかたくさんの方が朗読も出してくれている昨今、せっかくだから読んだ後さらに聞いてみることにしてみました。(2時間くらいになるので子育てしながらだと細切れにはなってしまいましたが。)
前回読んだ時はまだアイルランドにもギリシャにも行ったことさえないころ。
まさか自分がセツのように外国人と、しかもアイルランド人(八雲の父チャールズが今で言うアイルランド出身)と所帯を持つなんて当時は思ってもいませんでした。なので淡々と読み進めては旧字体や独特の言い回し、また明治期ならではの苦労をがありつつも海を超えて愛に溢れた家庭を持てた八雲は0~10歳の子供を4人も残して他界したとはいえ、幸せな人だなぁ(わがままもたくさんきいてもらったようだし)。程度の感想でした。
今回、日本から10000kmほど離れたアイルランドに嫁ぎ、さらには2歳の息子を育てながら読む思い出の記は当時と比べて理解度も上がり、共感できる事柄の深さがまるで違う体験でした。
もちろん八雲自身の著作、主に紀行文を通じても私と似ているなぁと思うことはたくさんあるのですが、14年間もの間を妻として過ごしたセツの言葉を通して感じた共通項は以下のとおり
逆に私は八雲と違って虫や動物はそこまで得意ではないし、暑いより寒い方がテンションが上がります。また、煙草も好みません。
近頃改めて田舎より都会の方が気性にあっているなぁとも。アイルランドの田舎で暮らして7年目ですが未だに思います。八雲が嫌った東京もニューヨークも大好きです。が、今住んでいる八雲が愛した海街トラモアも人に恵まれているし居心地がとてもよいです。少年時代に泳ぎを覚えた場所だと言うのに私は泳げませんが。
上記の共通点のほとんどは八雲の著作を通じても感じたことがありましたが、セツ目線でもやっぱりそうなんだなぁ。と、嘘が嫌いだからこそのピュアな文体であったことを改めて知るなどしました。
また、セツの文体は彼女自身の感情は最小限に抑えられ、八雲の人となりの細部が伝わる出来事をつらつらと綴るスタイル。八雲より18歳も若いとはとても思えないほど落ち着いた視点で、それがさらに八雲のわがままっぷりをより際立たせているような気がします。ちなみに著書でセツは”ヘルン”と記していますがこれは松江に来た時に”Hearn” の発音をハーンではなく”ヘルン”と読み違えたものが浸透したニックネームのようなもの。実際は”パパさん””ママさん”と呼びあっていたようです。
ハイテクすぎる乗り物。当時は電車でした。
東京に住んでいる頃に毎年のように訪れた焼津には車(おそらく人力車)と徒歩で行きたいと駄々をこねるも子供だっているし7時間の辛抱だからとセツに言われ、渋々電車を選んだ八雲。
(7時間だってそこそこ長いですがね。)
私も、飛行機は飛行機で好きですが、差がだいたい12時間以内だったら陸路や航路を選びます。
初めてアイルランドに来た時はベルリンからだったので空から入りましたが、2度目はロンドンからだったのでバスごとフェリーに乗って居候先のお兄さん(現夫)の待つWaterfordまで同じバスで行けるの、逆に楽じゃん!と思い17時間かけて向かいました。なお、Wexford港のパスポートコントロールのおじさんの方が空港の人よりフレンドリーで、ワーホリのビザを見せると
「へぇ〜ジャパンから!遠かったでしょ〜?パスポートかっこいいね!ウェルカム!アイルランドしばらく天気悪かったんだけど今日は晴れてよかったね!うんうん、一年いる予定なのね。とりあえず警察予約してこのスタンプとワーキングホリデーの書類見せればオッケーなはず。楽しんでね!」
とワクワク感が増すなどしました。
(ちなみに空港の入国審査では「え?あんた配偶者ビザで住んでんだよね?旦那と一緒に旅してないの?一人旅?Why?」など、嫌味ったらしい人にしか当たったことがありません。まぁ、不法入国などをあぶり出すのが彼らの仕事なので文句はありませんがウェルカムされた方がやっぱりうれしいですよね。)
ロンドン〜ダブリン間は約45分なので日帰りする人もいるほどですが、国境を渡る行為が単純に好きですし船から見えるアイルランド国旗に心躍ったもの。移動そのものを楽しむのは八雲の血なのかもしれません。
また、先祖巡りで初めてアイルランドに降り立った時も八雲の導きのようなものを感じたのでよろしければこちらもお読みください。
すこーしだけネタバレします。
ここに貼っていいものかよくわからないので気になった方は検索していただきたいのですが、ばけばけのヘブンがソロで映っているポスターにも机の横に置かれている法螺貝。わがまま?というか私が個人的にないわー。と思ったエピソードです。
セツがお土産として買った法螺貝をいたく気に入り、自宅でも毎日セツを呼ぶ際に愛用していたそう。煙草の火がなくなった時にボーっと鳴らしていたようでそれをセツも面白がっていたのだとか。
令和を生きる私にはモラハラとも思えてしまう夫婦のやり取りも楽しんでいたよう。それぞれが離婚を経験してからの出会いでしたがまさに相性ぴったりだったのだなぁと子孫ながら思います。
なお、私も(?)家の中で階段の上り下りが面倒な時に夫に電話したりするのですが
「足があんだから歩いてやってこい。」
と言われます。。。イヤホンつけてるから大声で言うより電話の方が確実なんだけどなぁ。
主題歌の歌詞や脚本、蛇と蛙などの登場人物?にもセツの言葉が反映されていて回を追うごとにリスペクトを感じています。
ばけばけはフィクションなのでネタバレになるかどうかはさておき、セツと八雲の夫婦や子供たちがどんな人だったかを知るだけでもドラマを見る視点がより多角的になることでしょう。
私は個人的に八雲が他界してからの子育て編や著書や蔵書にまつわるエピソードに注目しています。
イライザさんも再登場するに一票だし、子孫同士で交流もある夏目漱石先生の登場も待ち遠しい。あと、ニューヨークの美術館にもお邪魔したイサムノグチ氏も曽祖父兄弟とお友達っぽかったので出てきたらいいなぁとも。
もう!半年じゃたりない!スピンオフ5バージョンくらいやってほしい!
これを機に思い出の記を読んだり聞いたりする方が増えたら子孫としてこれほどにも喜ばしいことはありません。
本人に感想を伝えることはもうできませんが、溢れる思いがある方はぜひ私までどうぞ。
YoutTubeのコメントなどに残していただければ幸いです。