プラリーン、プラリネ(Praline):は、焙煎したナッツ類(主にヘーゼルナッツやアーモンド)に加熱した砂糖を和えてカラメル化(カラメリゼ)したもの。 製菓原料として使用される。 粉砕・ペースト化したものや、焙煎したナッツのペーストと砂糖との混合物を指すこともある。
ウィキペディアより
とのことで、プラリーンの定義はナッツ × 砂糖が混ざって熱が加えられているもの、とのことのようです。
日本に限って言えばチョコレートの中に甘いペースト状になったナッツが入っているものをプラリネ入りチョコレートなんて言ったりしますよね!
今回ご紹介するのはシンプルな材料と作り方でおもてなしにもぴったりな素朴で味わいある昔ながらのニューオーリンズの雰囲気を簡単に楽しめるレシピです!
また、旅の思い出話などをしながらYouTube動画でも合わせてレシピを公開していますのでご興味あればどうぞ!
ニューオーリンズプラリーンはこんな方にオススメ!
1. オーブンを使いたくない!
2. 卵や小麦粉を使いたくない!
3. お酒のアテになるお菓子が食べたい!
4. とにかくズボラ!
5. 自宅でクレオールの雰囲気をスイーツで楽しみたい!
材料に関しても、現地ニューオーリンズでの単発レッスンの後、アメリカのレシピを色々と比較してみました。
砂糖、ミルク類、ナッツは欠かせない材料ですが、その他はかなりアバウトな気がするのでご自身で配合を変えてもいいと思います。
ひとまず私のレシピはこちら
ニューオーリンズプラリーンの材料
· 白砂糖 200g
· ブラウンシュガー 230g (白砂糖ともにケーンシュガー可)
· エバミルク 180ml (生クリームや練乳でも可)
· バター 50g (常温に戻さなくてもOK)
· ココナッツオイル 15ml (なくてもOK)
· 重曹 小さじ1/8 (なくてもOK)
· 塩 少々 (なくてもOK)
· ナッツ 200g (ピーカン推奨。くるみやアーモンドなどお好きなものを。できればあらかじめローストしておくのがオススメ。お好みであらかじめ砕いておいても。)
道具もシンプルです!
· 鍋 (安もの推奨)
· 混ぜる用のヘラ (木べら推奨)
· 天板 2~3枚 (大きいお皿でも大丈夫!なんなら机の上でも)
· クッキングシート
· (あれば)水を入れた霧吹き
ちなみに現地ニューオーリンズの料理教室のレシピにはココナッツオイルと重曹は入っていませんでした。
塩に関しても、ナッツやバターに入っていることが多いのでお好みで調整してください。
エバミルクは日本だとなかなか手に入らないかもしれませんが、牛乳を煮詰める事で作れます。
クリーム系のパスタやシチューを作るときに、生クリームの代わりにエバミルクにするとちょっとだけヘルシーになるので一気に作ってしまっても良いかも!
わざわざ材料作りに手間をかけたくないのでしたら練乳や生クリームで代用できます。
ナッツに関しても、現地ではピーカンナッツが使われていますがどうやらそれはアーモンドが高価だったから庶民の暮らしに合わせてピーカンナッツが浸透していったという説が濃厚だそう。
お好みのものでいいと思います。ミックスしても美味しいかも!
私は最後、成形するときになるべく小さめで作りたい事もあってあらかじめ砕いておきます。
初めて作るときは大きいナッツと砕かれたものをミックスして自分好みの味を追求していきました。
重曹は入れるとカルメ焼き効果で軽くなり、かさも増えます。
濃厚なタイプがお好みの方は入れないほうがいいかもしれませんが、私のようにたくさん作りたい方やライトな味わいが好きな方は入れたほうが好みにより近づくと思います。
ココナッツオイルは完全に私のオリジナルです。
融点が26℃なので(涼しいアイルランドにおいては)成形を手助けしてくれるような気がするのと、少しでも体に悪くないものをという足掻きです笑
そうそう、お砂糖が合わせて430gと驚きの量なのですが…これには理由があります。
失敗を防ぐコツその1〜一気にたくさん作る〜
こんなにたくさんいらないよ!
と思って半量で作ったことがあるのですが
ちょっと硬くなってしまいました涙
ニューオーリンズにあるものはこのレシピで作るものよりミルク分が少なくカリカリ度が強いものもありますが、個人的にはミルクの風味をしっかり感じられるものの方が好みです。
日持ちはそこそこするはずなのと、好みの別れない味なのでたくさんつくったらお世話になっている方にお裾分けしましょう!
ちなみにうちは夫が甘党で、心配になる程すぐになくなってしまいます。動画参照。
ということで、作り方に入ります!
手順は大まかに3つです!
1. ナッツ以外を中火にかける
鍋はこげつきを防ぐために(重曹を入れる場合は特に膨らむ場合も考慮して)深めのものを。
最後にまぜ冷ます工程があるので保温性の高い高級な鍋よりもペラッペラの安ものの方が早く作れます!笑
混ぜる道具は木べらがオススメです。金属は熱くなる可能性があるのでできれば避けてください。ゴムでも大丈夫だとは思いますが私はズボラで入れっぱなしにしたいので断然木べら党!
順番は砂糖、エバミルクが溶けた頃にバター、ココナッツオイル、重曹を入れるとスムーズだと思いますが、そこまで考えなくても作れます!(経験者は語る。)
練乳で作る場合は砂糖を少なめに、生クリームの場合はバターを少なめになど調整するといいかもしれませんが、ちゃんとキャラメリゼしていればあまり関係ないかも…。
ちなみに私はこのレシピよりさらにミルク多めでつくったりもします。そうすると花畑牧場風のキャラメルに近づきます。
発祥の地であるルイジアナ州ニューオーリンズはアメリカの中でも暑い地域なので溶けにくいようにするためか売られているものは砂糖が多く、飴に近いです。
余談ですが私の暮らしているアイルランドは気温が20℃を超えたら真夏と言えるほど涼しい(冬は東京よりちょっぴり暖かい。)のでいつでも作れるのですが、日本の夏場は固まらない可能性があるので控えたほうがいいと思います。
根気よ〜くキャラメリゼ
アメリカのレシピだと120℃で3分ぽこぽこさせる!
とありましたが我が家に温度計はないので全体的にぽこぽこしたら、焦げないようにまぜまぜ。
日本語でよくあるナッツプラリネのレシピだとバターやミルクがこんなにたくさん入っていないので失敗しそうだなぁなんて思ってしまいます笑
とにかく中火で根気よく放置させすぎずにまぜる事。
焦がすと終わりですが、もしキャラメリゼが足りなくてねちゃっとしても鍋に入れて熱するところに戻れます!(経験者は語る。)
2. 火から離して冷ますタイミングでナッツ投入
前述の通り、できればあらかじめローストしておいたナッツを入れて混ぜます。
また、お好みでバニラエッセンスやラム酒、砕いたチョコレートを入れるならこのタイミングです。(私はナッツとバターとお砂糖の素朴な味わいが好きなので入れません。)
ここの加減はニューオーリンズでの料理教室でも感じましたが、勘です。
混ぜ時間に関しては室温などによってまちまちなのだと思いますが、次第に混ぜるときの抵抗がどんどん強くなってきます。
鍋底をこそげてからキャラメルが戻るまでの時間がとろぉ〜っとしてサラサラ感がなくなったら成形のタイミングです!
今の段階だとつやつやだと思いますが、完成はマットです。
混ぜすぎて垂らし置く前にマットにならないように気をつけてください。
3. 垂らし置きながら成形しつつ冷ます
あらかじめ用意しておいたクッキングシートを置いた天板の上にプラリーンを丁寧に置いて行きます。
大きさはお好みで。
本場ニューオーリンズのものは肉まんぐらいのサイズでしたが、胸焼けしてしまうので私は直径4cmぐらいが好みです。そのためにもあらかじめナッツは小さめに砕いておきます。
垂らし置くときのコツは離し気味にする事。
どうしても重力にしたがって横へ流れるのでその分を計算しながら行いましょう。
とはいえくっついてしまっても味に問題はありません!
表面張力と重力の勉強になるのでお子様と一緒にやっても楽しめるかもしれませんね。
さて、置き進めているとどんどん冷えて硬くなってきます。
私は「やばいかも!」と思ったら暖かいうちに霧吹きでドーピングします。
お湯を入れるレシピもありましたが、リスキーな気がしてやった事はありません。
置き始めと終わりでマット具合に差はありますが、ゆくゆくは同じになるので気になさらず!完全に冷め固まるまで2〜3時間待ちましょう。
室温の高い場合は冷蔵庫に入れるとよいかと思います。
できあがり!
大まかな行程は3行程!
煮る!混ぜ冷ます!冷まし固める!
材料も案外アバウトなニューオーリンズプラリーンが出来上がりました!
元はと言えばフランス領だった時代にやってきたプラリーン。
本国フランスのものよりも素朴で庶民の暮らしに寄り添う形で進化したのだとか。
食べ方はコーヒー紅茶のお供にはもちろん、ちょっと飽きたらパンにのせて電子レンジでチン!してもおいしいです。(固めた労力はパーになりますがミルクジャムのような風味とナッツがマッチするのです。)
ニューオーリンズといえば小泉八雲
もしかしたら。。。私が小泉八雲の子孫だからこのブログを読んでくださるという方がいるかもしれないので結びにはおじいさまネタをば。
ニューオーリンズに住んでいた頃(主に30代)には何冊もの本を執筆していました。
新聞記事や小説の中でとりわけ異彩を放ち、また今日にも愛されている本の一つがクレオールクックブック。
一説によると最古のクレオール料理本だとか。
内容については分量や時間がアバウトだったり誤記があったりと、21世紀に再現するには難しいものが多いのですが当時の風土や文化をうかがい知る本としては非常に楽しめます。
今回私が紹介したニューオーリンズプラリーンについての記載はないのですが、訪れた料理学校の先生(上記の本はなんと読んだ事があるそうでした!)曰くフランス統治時代(16世紀)にやってきて広まったものなので、すでにアメリカとなっていた小泉八雲の住んでいた頃(1880年代)には絶対にあったに違いない!そうです。
シンプルな材料と行程で作る事ができるニューオーリンズプラリーンで世界のどこにいても気軽に古くから伝わるクレオール文化を味わってみてくださいね!
またアレンジレシピがうまく行った際にはTwitterなどなどで教えてくださいますと嬉しいです!参考にします!
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