コラム

運動音痴の女子高生用に変更したソフトボールのルール4連発

運動神経が悪い。

どのくらい悪いかと言うと5歳の頃に4つもはなれた妹と羽付きをした際、ぼろ負けするほどです。

バスケットボールにおいてはこの人生で3ポイントシュートを決めたことがない始末。もちろん、試合中ではありません。

 

ピアノはそれなりに弾けるせいかバランス系のものは人並みにこなせるけれど、パワー系と技術系はもっぱらダメです。

 

ペットボトルの蓋をニュートラルに開けられるようになったのも12歳と、とんでもなく遅かったと思います。

 

私の通っていた中学校は市内でも偏差値が低く、授業は亀のようなスピードで進んで行く始末。

ガリ勉だった訳ではありませんが志望校に受かるためにはこんな生温いことではいけないとこっそり授業と関係ない勉強をしていましたが体育に関しては唯一ついて行くのに読んで字のごとく必死!

四則計算も満足に出来ないクラスメイトからの舌打ちに次ぐ舌打ちにメンタルを削られる始末。

なんで勉強するためにある学校という場所でこんな苦労をしなければならないのだと本気で思っていました。

 

無事受かった第一希望の県立高校で、私は普通科音楽コースの生徒でした。

 

クラスメイトは自ずと音大を目指す子が多く、(本当は音楽って体力勝負なところが大いにあるのですが)運動神経ちょいワルがデフォルト。
運動部に所属している同級生はいませんでした。
球技でミスしてもお互い様なので特に空気が濁ることもなく、とても居心地が良かったのを覚えています。

 

特に楽器を本気で勉強している手が命な子は真面目に体育の授業なんて受けないですし先生もある程度は黙認していたようにも思います。

 

さて、そうは言っても県立高校の普通科なので体育の授業はカリキュラムとしてばっちり組まれています。

 

この記事を書いているのは2019年の8月。

日本中が甲子園の熱戦に沸き、時に胸に込み上げるものを感じる中で

 

「そう言えば…ひっでぇルールでソフトボールしてたなぁ。」

 

と思い出した、高校時代の体育授業のお話です。

 

  最重要ポジション不在!

野球やソフトボールで一番重要なポジションってどこでしょうか?

そう、ピッチャーです。

投手がいないとプレイボールになりません。

 

が、私たちの中でピッチャーが出来るようなコントロールのいい球を投げることが出来る生徒はいないのです。

そして飛んで来る球をバットで打つスキルのある人もいませんでした。

(ええ、ということでキャッチャー不要です。)

じゃあどうするのか?

 

答えは三角コーン。

 

三角コーンの上にボールを置いてバッターは好きなタイミングで打ちます。

 

ピッチャーの代わりに三角コーンにボールを置くゴルフスタイルです。

 

それでさえも難しく、三者凡退の回数を数えるだけのゲームが続きます。

 

日に焼けた三角コーンが完封勝ちを収めたところでルール変更が行われることになりました。

 

 三角コーンに負けちゃいられない

 

独自ルールが再登場します。

 

” 打てるまで打ってよし! “

 

一塁側に走るところまでなかなかたどり着けないので自ずとそんなルールが出来上がりました。

 

やっと、守備チームに仕事がやってきます。

 

が、音楽コースはキャッチボールもろくにしたようなことがない女子の集まり。

ゲームの流れはどうなるのでしょうか?

 

 ランニングホームラン連発

 

走塁中にアウトに出来ません。

 

送球ってなんて難しいんでしょうか。

 

そんな中でとりあえず点を取らせないためのアイディアがでてきました。

 

 全員で三塁を死守!

 

「一二塁でアウトになんてうちらできないんだから

最悪点取らせなきゃよくね?」

 

ということで5人ぐらいで三塁を守っていました。

が女子高生がそんだけ集まったらおしゃべりがはじまります。

 

見逃します。

見逃し三振ならぬ見逃し三塁です。

 

やはりランニングホームランを阻止することはできませんでした。

 

そしてここでオリジナルよりも厳しいルールが登場します!

 

 ファールはストライク!

 

守備が甘すぎて試合が進まないので、ファールはストライク扱いになりました。

 

「じゃあ、バット振らずにバントにすれば良くない?」

 

と思った方、鋭い。

 

そしてそもそもの野球やソフトボールのオリジナルルールさえわかっていない子もいたのです。

バントの知名度が100%ではなく、寧ろバットは振るもの!としか思っていない子がマジョリティだったような気がします。

それに三角コーンの上に置かれたボールをころっと落としたところで…つまんないんですよね。さすがに。勝負が目的じゃないということも理由の一つでしょうか?

 

そして独自ルールを把握しきれなくもなってきたころ、ソフトボールの授業は終わりを迎えたのでした。

 

いったい何時間がソフトボールの授業に充てられたのかはもはや覚えていませんが、先生…どうやって成績つけたの?

 

余談ですが運動音痴とは言え私は野球観戦(というかイチロー)が好きで高校時代は大リーグの試合を見てから登校しており英語の単位が足りなくて留年しそうになりました。笑

が、それが13年越しで功を奏して小泉八雲おじいさまが青年時代を過ごしたシンシナティでおもてなしを受けるのでありました。

 

 

 

 

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(この記事が好評だったら…バレーボールバージョンも執筆しようと思います。)

 

 

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守谷 天由子
ギリシャとアイルランドの両親を持つ明治の文豪、小泉八雲 (Lafcadio Hearn) の孫の孫の守谷天由子(もりやあゆこ)です。 文系か理系かと言われるとアート系のジュエリーデザイナー。 八雲と同じく異文化に触れる旅やウィスキーが大好き! 2017年に5カ国に渡る足跡ツアーを4ヶ月かけて自力で回りました。 道中出会ったアイリッシュ夫と海辺の町で暮らしています。